出産記③ 後産(癒着胎盤・子宮内反)~容態安定まで
かなり空いてしまいましたが出産記の最終話です。
産後すぐに始まる育児に追われる日々で、出産の記憶も曖昧になりそうです😅
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大変なお産を経て、ベビーの健康状態が確認され、
分娩室が歓喜の雰囲気に包まれていましたが、
すぐにドクターたちがザワザワし始めました。
そう、ベビーを産んだ後は胎盤を排出する後産が残っています。
わたしはというと、やっと陣痛の痛みから解放された安堵と、
疲労と空腹と眠気で、後産のことなんてすっかり忘れて脱力していました。
ここでベビーの撮影から戻った夫も、ドクターの不穏な雰囲気を察知します。
出てくるはずの胎盤が出てこないのでした。
少し記憶があいまいになりますが、、、
エコーを見ながらドクターたちが診察。
専門の先生も呼び、分娩室に居る人数はさらに増えて、
15人くらいになっていたと思います。
結論から言うと、癒着胎盤と、子宮内反を起こしていました。
「胎盤が出ない出ない」と言っているうちに、血が噴き出しました。
(もちろん見えていません、サマリーに”血が噴き出す”と書いてある(笑))
分娩室は一気に『救急救命』的ドラマの世界になります。
わたしは徐々に耳が聞こえにくくなっていきました。
そして脱力しているのに吐き気がしてきました。
眠気と疲労からなのか、一気に貧血状態になったのかは分かりませんが、
隣で意識レベルを確認している看護師さん?ドクター?が、
「意識レベル低下!」と叫んでいました。
「血圧36!」とか、そういう言葉が聞こえてきました。
出血量は3リットルを超えていました。
それってどんな量か後から調べてびっくり。
人の血液量は大体体重の1/13だそうで、
出産時のわたしの体重が58-59kgくらいだったので、
総量が4.5リットルほど?妊娠中だからもう少しあるのかしら?
そして総量の20%が短時間で失われると出血性ショック状態となり、
30%が失われると生命の危険があるそう。
すぐに輸血の同意などを夫が交わし、輸血を開始。
意識が戻ってきたようで、耳も普通に聞こえるようになりました。
夫は「大丈夫だよ、赤ちゃんに会うよ!!」などと、
ずっと声をかけ続けてくれていて、それは聞こえていました。
後から聞くと、
「大丈夫だとは信じていたけど、意識が遠のいていったときは少し心配になった。
やる気がなくならないように声をかけ続けた!」
と言っていました。
意識が戻った後、それでもぐったりしていたわたしですが、
直後に飛びあがるような痛み!!
子宮内反を治すために、ドクターが子宮口から手を入れて子宮を成形するのでした。
子宮内反というのは、胎盤が剥がれずに一緒にくっついてきて、
靴下が裏返るようなイメージ。ひどい人だと外に出てくるとか。
陣痛以上に叫んだかもしれません。。。
その後もたびたび震えが起こったり、過呼吸気味になったりで、
22時くらいまで分娩室で横になっていました。
最後に身体を拭いてもらいましたが、背中側も肩まで血がべっとりで、
「これはもっと出血量あったね」と話していました。
容態安定後は重傷者用の個室に移され、朝まで輸血を続けました。
おしっこの管や、輸血と点滴を両腕に3本?
震えが副作用ではなく恐怖からだと診断され、
眠れるように軽い安定剤も入れてくれました。
この日はベビーとも離れ離れでした。
だけど、6時間ほど眠れて翌朝は元気になった気持ちになりました。
この時はベビーのことはあまり頭になく、会いたい気持ちもありませんでした。
「その後」が壮絶過ぎて、産んだことの実感がなかったのだと思います。
看護師さんや助産師さんは、わたしのメンタルをものすごく気遣ってくれました。
出産が大変過ぎて、赤ちゃんを可愛いと思えるか、
すんなり育児に移れるか、ということだったようです。
確かにはじめに初乳を飲ませるためにベビーを連れてきてくれて対面した時は、
ベビーに会えたということにそれほどの感動がなく、自分でも心配になりました。
だけどその日1日一緒に居て、すぐに可愛くて仕方がなくなり、安心しました!
貧血状態は残り、5日の延長入院をし、
退院してからもしばらくは鉄剤を飲みながらの生活でした。
だけど、それ以外の子宮収縮などは順調に回復しましたし、
尿や便も問題なく、
会陰切開の痛みも4日ほどでクッションなしで座れるレベルになりました。
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出産からかなり経って記憶も薄れてきてしまい、
最終話がザッとした記録になってしまいましたが、、、これがわたしの出産記です。
これから出産の方には怖い気持ちになってしまうかもしれませんが、
わたしのようなパターンは稀だと思います。
だけど、出産は命がけなんだということを改めて実感し、
記録として残したかった。
そのことは、安産であろうが難産であろうが変わりないと思います。
出産を控えている方の家族、周りにいる方には、
そのことを理解して全力でサポートして欲しいと願います。
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